「永住者」の資格を取って永く日本で生活してきて、そろそろ自分の会社を作ってみたい、そんな思いを持つ方は少なくありません。しかし、いざ会社を作ろうとすると、「永住者でも会社を作れるの?」「何か特別の制限はある?」といった不安が出てきます。
結論から言えば、永住者は日本人と同じ条件で会社を設立できます。
出入国在留管理庁が示す永住者の活動範囲には、就労や事業活動の制限がなく、会社の設立や経営も自由に行うことができます。(出入国管理及び難民認定法2条の2、別表第1/2)
この記事では、日本に住んでいて印鑑登録も済ませている永住者の方が、ひとりで会社を作る際に知っておきたい「基本の流れ」を、公的情報をもとにわかりやすく解説します。
■永住者は日本人と同じ要件で会社を設立できる
永住者は、在留資格による活動の制限がありません。 そのため、会社法に基づく一般的な会社設立の手続を進めることができます。
設立できる会社の種類も日本人と同じように、
- 株式会社
- 合同会社などの持分会社のどちらも選択可能です。
ひとりで会社を始める場合は、 合同会社は設立費用が安く、手続きもシンプルなため会社形態のひとつとしてポピュラーになりつつあります。

1.会社設立の基本的な流れ
会社設立の流れは、会社法・商業登記法に従って次のように進みます。
① 定款の作成
会社の憲法ともいえる「定款」を作ります。 株式会社の場合は公証役場で認証が必要です。
② 資本金の払込み
資本金を自分の銀行口座に入金します。 入金を確認できる口座の預金通帳の写し又は取引明細表等を用意しましょう。
③ 法務局で設立登記
会社設立の仕上げの手続きとして、法務局へ設立登記を申請します。 登記申請を受理された日が会社の「設立日」になります。
ひとりで会社設立する場合の詳しい手順についての記事はこちらに掲載しています。
2.気をつけたいポイント
会社の登記に必要な書類のひとつとして、印鑑証明書があります。日本在住で、お住いの区市町村に印鑑登録済みの永住者であれば、 登記に必要な印鑑証明書が取得できます(総務省資料)。
ただし、
- 住民票の氏名表記
- 通称名の扱い など、外国人特有の確認が必要になる場合があります。 これらは法務局ごとに判断が異なることがあるため、確認しましょう。
3.前編のまとめ
永住者は、日本人と同じ条件で会社を設立できます。 会社法・商業登記法に沿った一般的な手続きでOKです。
後編では、 会社設立後に必要な行政手続きや、 永住者が事業を始める際に知っておきたいポイント、 そして行政書士などの専門家に依頼するメリットについて掲載します。
行政書士 八木勉事務所
■参照した公的情報(一次情報・URL一覧)
- 出入国管理及び難民認定法 /会社法 / 商業登記法
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html
- 法務省 登記-商業・法人登記-
https://www.moj.go.jp/MINJI/houjintouki.html
- 総務省「外国人住民に係る印鑑登録証明事務の取扱いについて」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000105089.pdf
※これらの資料ならびにURLは、記事執筆時点のものです。今後、変わる可能性があります。










